#63 動く。5月の自分
2月末までは俳優としてチャレンジをした時期だった。俳優募集サイトとにらめっこをする日々、
気になる募集があれば履歴書を送り、その度にカメラをセットし自己紹介動画の撮影や担当者へのメール文章をあれでもかこれでもかと考え、役を取るために試行錯誤を繰り返しー なんとか今の状況を打開すべく日々前のめりになっていた。
僕は名の知れた俳優ではないし業界のことを話せるほどの実績はないが色々な経験を積み今思うことは俳優の仕事ほどブラックで儚い労働環境はないと思う。きらびやかな芸能界の世界。世間一般のイメージで僕も最初はそんな思いを俳優に抱いていた
というのも俳優はオーディションを探しそれを受け、その役を勝ち取らないとスタートにも立てない。スタートに立ったとしても多くの劇団や映像作品ではあご、足、枕さえ出ず、ギャラも出ず、それが当たり前の世界だ。それらが出たとしてもトータルでの収入は高校生のバイトの収入よりも下回っている
大の大人がやることなのだろうかーー、自分一人を養っていくことさえもできない少額な自分の稼ぎに劣等感さえ感じる日々だった
「舞台に出ることが生きがいなんです」「演じることが楽しすぎる!」そうやって俳優を続けている人は多くいる。僕は俳優というものに対してそこまでピュアなものはもちあわせていなかった、演じるということを心の底から楽しめなかった。楽しめない自分には才能はないんじゃないかとさえ思うこともあった
これからどうしていこうか。長々と書いたが自分は表現の世界でしか生きれないことはわかっている。カタギの仕事に耐えられるわけがない。でも俳優という仕事を続ける経済的な難しさがいつも付きまとい、眠れない日々もあった。気づけば出口のない迷路にまたいるーー
完全にくすぶっている自分を一旦リセットし、再スタートを切るべく3月からはある本を読み、その本のメソッドをこなしながら今いる現在地から少しでも前へ進もうとしていた。本のおかげで本来の自分を取り戻し今月からはどんどんオープンに動いて行こうと思う自分がいる。そう決意した夕刻、仕事帰りの人々が行き交ういつもと変わらない街が黄金色の空だった。その時の自分は空が味方をしてくれたようで活気と期待が満ちていた。
今は日々創作活動をしながら(創作の詳細はまた書こうと思います)舞台、LIVEのお誘いやエンタメを積極的に観に行きたいと思っている。社交的にオープンにという時期だが同業者の繋がりも多く、全ての誘いに行けるほどの経済的余裕は残念ながらないが色々な目の前の出来事、目の前のやるべきこと、やりたいことを楽しみ、全力で取り組んでいきたいと今は思える。前向きでかつてないほど自信にあふれた自分が今はいる
0コメント